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中島麦さんとゆく、アートライド!〈2〉

中島麦さんとゆく、アートライド!〈2〉

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こんばんは。寺田です。中島麦さんとゆく、アートライド報告第二弾です。プラネタリウムを後にし、私たちは南茨木駅へと向かいます。

今回のライドでは中島麦さんの作品を中心に茨木のパブリック・アートを巡りました。パブリックアートとは呼んで字の如く公共の場所にある芸術作品の事を指すのですが、公共空間が故、さまざまな論争や研究がなさせており、そのあたりの歴史もなかなか深く、気になった方はしらべてみる事をおすすめします。

話はそれましたが、とにかくいい天気!サイクリング日和!そして、無事に南茨木駅に到着。
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サン・チャイルド(ヤノベケンジ作)

今や世界的に活躍するヤノベケンジさんは小、中、高を茨木市で過ごした、茨木市に縁のあるアーティストです。サン・チャイルドは、HUB-IBARAKI ART COMPETITIONの前身にあたるような活動、元茨木川緑地彫刻設置事業の一環で、平成23年3月11日に発生した東日本大震災から再生、復興していく人々の心に大きな夢と希望と勇気を与えるモニュメントとして、震災のあった一年後、平成24年3月11日に設置されました。

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放射能防護服を着た子どもが、ヘルメットを脱ぎ、放射能の脅威のない明るい未来を見据えている。手には希望の光である『太陽』を持っています。

サン・チャイルドの存在を知っている方は多くても、どんな理由で設置されたのか知らなかった方もいるかと。込められたメッセージを思いながら見ると、また違って見えてくると思います。

この辺りは「茨木芸術中心」として設置から関わった河上さんのお話を聞く事ができました。パブリックアートと市民への理解は時間を経て変化する(太陽の塔がそうであったように)ものだと思うので、こんなイベントを機会に少しでもアートへの理解が深まればなあと思いました。

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自転車と一緒にパシャリ中島さん、ディランマッケイのまねをする、な○ぎ武ばりのポージング。
IMG_1299そして、次の目的地、元茨木川緑地へ。

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Trans Ren(名和晃平作)

これもまた世界的に活躍するアーティストの作品です。元茨木川緑地彫刻設置事業で設置されました。名和晃平さんは茨木高校出身。この作品は、茨木高校の見える位置に設置されているのです。茨木童子からインスピレーションを受けた作品で、三次元スキャニングとデジタルモデリング技術により現代アートの視点による茨木童子として作られました。

「世界的に活躍するアーティストが二人も茨木にゆかりがあるなんて茨木はなにかあるんですかね~?」と質問したところ「芸術大学(京都)が通学圏内にあるのが一つあるのかもね~」との回答、そんな雑談をしながらすすんでいきます。

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ここでも「KURASHI cycleのレンタサイクル、こんなに軽いよ!!」のポーズ。ちなみに中島麦さん本人の作品の前ではジャンプするポーズがトレードマークとなっています。

次に向かうは、生涯学習センターきらめき
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ここは、5か月間今回の展示の作品を作るためのアトリエとして使われました。壁面一面に描かれています。
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公開制作が行われたこともあり、ここの壁面がどの作品よりも層が厚いとのこと。(15層くらい!!)今回展示されている作品はすべて、絵の具を含ませた刷毛を画面へ向かって振り続け、絵の具を乾かし、乾いたらまた刷毛を振るをくりかえして描かれており、画面には一切触れずに描いているそうです。絵の具は30㎏ほど使ったとか。

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手すりやスイッチなどはしっかり養生して描かれています。微妙に絵の具がついていない部分も見えます。”あえて、描かない”部分は「もともとある空間と共存する作品であるため」との事です。

ここの壁面も触れることができるので、やさしく触れてみてください。

床の絵具痕は少しづつ積層し、 痕跡源の作品は、在った跡を残して、 しばし熟成。 (中略)波に身を任せていながら、足先で舵をとっているような、 現象の面白さだけを定着させては、物理的な記録にすぎない。 最良の一手間をもって、現象をわずかにコントロール、 観たことない瞬間をそこに。」最近の中島麦さんのインスタグラムの詩的な文章は作品と共にすごく感銘を受けました。

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作品を見終え、一回の喫茶スペースでソフトクリームを食す。アート鑑賞との対比、補完関係(違うか…)です。暑かったので、めっちゃ幸せ。

休憩を終え、隣の建物、中央図書館へ。
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返却されてきた本を一時的に置くラック。図書館内に五つほどあるそう。実際に、使われているので、中央図書館を利用する際には、ぜひ探してみて下さい。

パブリックアートの前では人が自然と集まったり、立ち止まったりするとう研究結果もあるらしく、人間は無意識のうちにアートを感知しているのではないかと思います。このラックなんかは一見して作品だと気付かない人も多いけと思うけど、なぜか返却率が高いラックなんかになっていたらおもしろいなあと思います。(このラックはおそらく職員さんが返却されてきた本を一時的に置くラックだと思いますが)

次に向かうは、GLAN FABRIQUE内のギャラリー「la galerie」へ。
こちらは6月20日まで開催されているのでぜひ皆様も足をはこんで下さい。
今回の展示全般にまつわる映像、アイディアスケッチなどが展示されている「H.I.A.P.報告展」です。
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ギャラリーへと続く廊下、ギャラリーの床には、今回制作期間床を養生していたシート。
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制作時に着ていた服たちも展示されています。もう、服としての機能を果たせないくらい絵の具でぱりぱりに固まっていました!!

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アイディアスケッチや制作の映像もあります。作品を巡った後に、ぜひどんな風に描かれたのか、報告展で知っていただければと思います。

中身の濃厚なアート・ライド第2回あるかもなので、こうご期待!茨木のまちに、身近にアートを。難しく考えず、見て美しい!とか、おもしろい!とか、アートを気楽に楽しむ人が増えたら、うれしいなあと思うアート・ライドでした。

最後はお昼ごはんへ。ここまでがアートライドのプログラム内容です。
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茨木の中でもかなり古くからある立ち喰いうどん屋さん「たつみや」中島さんは数年ぶりとのこと。私は、初たつみや、しかも初立ち喰いうどん。笑。うどんも、おだしも、いなりも、おいしくいただきました。

「たつみやのうどんは茨木市民のソウルフードやで、、、知らんとは!中学の頃みんないくやろ!」(店長談)

との事。

それではくらしサイクルのアートライドのご報告はここまで。
長々と読んで頂いた方ありがとうございます!